水虫とは別名白癬と呼ばれるもので、
皮膚科に新規で来院される患者様の約10%がこの水虫による受診と言われています。
また、夏になると患者数は増え、冬になると減少します。
夏場に皮膚科に来院する患者の4人に1人という割合で見られる皮膚疾患とされています。
水虫は、白癬菌(皮膚糸状菌)というカビの一種が皮膚に入り込むことで症状が現れます。
この白癬菌はケラチンというタンパクを栄養として生きていくため、
このケラチンが多く見られる皮膚の表面に寄生します。
一般的に水虫と呼ばれる疾患は足に白癬菌が感染した状態のことを言います。
足の皮膚だけでなく、足の爪にも感染することがあり、これを爪水虫と呼びます。
水虫の症状は足の裏や足の指の間に小さな水膨れができる、
水膨れが割れると指の間がじゅくじゅくとする、
白くなってふやける、痒みがあるなどがあります。
また、皮膚が硬くなり、痛みを伴うという場合もあります。
水虫は、白癬菌の感染によって起こりますが、この白癬菌は高温多湿な環境を好みます。
そのため、この高温多湿な環境を作ることが感染の原因とされています。
例えば1日中革靴など通気性の悪い靴を履きっぱなしで過ごす、
白癬菌を持っている動物、
特に犬や猫と接触する、白癬菌が付着している足ふきマットや
スリッパを長期間家族などと共有するということが原因となります。
水虫は抗真菌作用のある塗り薬や飲み薬を使用して行います。
ほとんどの場合は塗り薬を毎日塗り続けて治療をし、皮膚の水虫はクリームタイプ、
爪の水虫にはローションタイプのお薬を使用します。
しかし、皮膚が固くなっているところに水虫ができている場合、
爪にできている場合は飲み薬と併用して治療を行います。
飲み薬は肝臓に負担のかかるものとなるため、
内服中は何回か採血を行って肝機能をチェックさせて頂くことがあります。
治療は白癬菌が完全に消失するまで行います。
稀に水虫の治療薬が肌に合わずにかぶれてしまうというかたもいらっしゃいます。
その際にはすぐに診療し、患者様の皮膚に合ったお薬を処方させて頂いております。
水虫は皮膚科の専門医でさえも見た目で判断することは非常に難しく、
また、似たような疾患が多くある疾患となります。
そのため、皮膚科の専門医の検査が水虫を判断するのに非常に重要となります。
新宿、西新宿にある当院皮膚科では水虫を疑って来院して頂いた方に、
まず水虫に感染しているかどうかの検査を行います。
足の水虫が感染している部分の皮膚をハサミで切ったり、削ったりして採取し、
その採取した皮膚に特殊な薬剤(苛性カリ(KOH))を垂らして顕微鏡で
白癬菌がいるかどうかの観察を行います。お時間は5分とかからずに手軽にできる検査ですので、
水虫と類似した症状が見られた際には、ぜひ一度検査をしてみることをお勧めします。
また、毎年夏になると小さな水ぶくれができたり足の皮膚がふやけたりするのに
秋になると自然と症状が軽減するという場合も水虫を疑い、上記の検査を行います。
水虫は、発症してからでは遅いのです。
日常生活から予防しておけばならないようにできるのです。
ではその予防の仕方について教えます。
水虫は足だけでなく手や頭にもできる可能性があります。
その中でも一番洗いにくい足はなりやすくさらにはむれやすいです。
毎日お風呂に入るときには、指と指の間まで丁寧に足を洗いましょう。
その時に注意してほしい点は、ごしごし洗いすぎないことです。
ごしごし洗いすぎると角質が剥がれすぎて、
白癬菌(水虫の原因となる菌)が皮膚に侵入しやすくなるのです。
軽石など普段使って洗っている人は、気を付けましょう。
日常生活を一番送るところは自信の家でしょう。
そして、お風呂に入るときも自身の家でしょう。
家族に水虫がいるということも少なくないと思います。
そんな時に気を付けることがいくつかあります。
一番気を付けてほしいのがバスマットです。
高温多湿に一番なりやすく潜みやすい場所です。
水虫の人は自分専用の物をつかったり、
毎日しっかり洗うようにし乾燥もしっかりさせたりして対応してください。
また家の中の床にも菌は潜んでいますので、こまめに掃除をしてください。
靴の中というのは一番むれやすく菌が繁殖しやすい場所です。
靴下はもちろん毎日変えると思いますが、靴自体も毎日履き替えるようにしてください。
靴は1日はくと多くの湿気を含みますので、
1日履いたものは外に干して乾燥さしてから履くようにしましょう。
また靴下のかえなど持ち歩き汗をかいたとおもったときに履き替えるとなおよいでしょう。
水虫は、人だけでなく動物にも発症します。
ペットを触った後そのままにしていたり、
一緒に寝るなどして感染するなどといったことも多々あります。
ペットを触ったらしっかり洗ってください。さらには、一緒に寝ることはなるべく避けましょう。
水虫の歴史は古く、その言葉は江戸時代から使われていたようです。
水虫という語源は、水虫ができると水膨れができる症状からという説や、
水を張った田んぼで農民が畑仕事をすることによって
虫に噛まれて起こるからなどという説があります。
日本では靴が普及したことによって水虫の患者が増えたと言われており、
外国靴が普及し始めた1889年頃、
そして大衆が靴を履くようになった1923年以降より
水虫患者が爆発的に増えたとされています。
外国では靴が早くに普及したことからこれよりももっと前から
水虫の患者様がいたという報告があります。
そして時を経て長靴の普及や女性のブーツの普及により水虫患者は増加していったとされています。
また、歴史的偉人である坂本龍馬も水虫の患者だったという話もあります。
以前までは顕微鏡も普及しておらず、足がかゆいという症状を訴えた方を
全て水虫と診断していた歴史がありますが、
現在では顕微鏡が普及したため
白癬菌が生息しているもののみ水虫としています。
新宿、西新宿を中心とした幅広いエリアの方にご利用いただいている当院皮膚科では必要性のない治療や投薬はせず、患者様の負担を最小限とした質の高い医療の提供をモットーにしております。水虫という病気は当院でも診察に見える患者様が多く、特に近年では女性が社会進出したことにより1日中靴を履いて仕事をすることから女性の患者様も増えております。その一方で、水虫となったことが恥ずかしいと受診を遠慮される患者様も多くいるのが現状です。当院皮膚科では患者様のプライバシーを守り、患者様が安心して治療に臨める環境を整えております。水虫の症状でお悩みの方はぜひ一度当院皮膚科で検査を受けてみてはいかがでしょうか。スタッフ一同お待ち申し上げております。