口唇ヘルペスは、「ヘルペスウイルス」の感染によって発症する病気で、
文字通り唇の周囲に症状が現れる病気です。「風邪の華」「熱の華」とも呼ばれている
病気で、風邪を引いたときなどに症状が現れることが多いです。
この病気の最大の特徴は「再発しやすい」ということです。
ヘルペスウイルスは「潜伏型」のウイルスであり、初めて感染した後に完治
または症状自体が発生しなかった場合でも、患者さんの体内の中にウイルスが生き残り、
潜んでいます。
これが、風邪をひいたり紫外線を浴びるなどの要因で増殖を促し、
症状を再発させてしまいます。
口唇ヘルペスは、基本的に感染した人との直接の接触もしくは間接的な接触によって
ウイルスが感染します。
その特性上、感染経路は「家族間」であることが多い病気です。
直接接触による感染は、口唇ヘルペスという特性上「キス」「頬ずり」や
「オーラルセックス」が感染の原因になることが多いです。
特に、口唇ヘルペスの症状が激しく現れている状態ではウイルスの増殖が活発であり、
感染する確率が大幅に上昇します。
間接的な接触による感染は、頻度は少ないですが、「タオル」や「コップ」
といったような、口や顔に接触して使用する物品を媒介として感染することがあります。
これらの物品を共有している場合、
それを媒介としてヘルペスウイルスが感染してしまうことが多いです。
これらの特性上、ヘルペスウイルスは「親しい間柄にある人物間」での感染が多いです。
そのため、家族間や恋人間での感染が多く見られ、
恋人から感染したヘルペスウイルスが家族に感染し、
それがまた別のコミュニティーに感染するという経路を辿ります。
口唇ヘルペスは、最初に唇が「ちくちく」「ピリピリ」したような違和感を感じます。
これだけでは口唇ヘルペスであると断言することは難しいのですが、
何度か再発した人の場合はこの時の感覚だけでわかることもあります。
その症状から半日ほど経過すると、唇が赤く腫れ始めます。
違和感もさらに増しますので、この段階で口唇ヘルペスを疑い、
治療を開始することをオススメします。
新宿・西新宿にご勤務やお住まいでこの症状を感じ取ったら、
当院皮膚科やお近くの皮膚科を受診してください。
治療が遅れてしまうと、数日後には唇の腫れた部分に水膨れが生じてきます。この水膨れの中身は「大量のヘルペスウイルス」であり、接触による感染のリスクが高い状態です。そこから1週間~2週間ほどで回復していき、かさぶたを生じます。
上記は再発時などの症状が軽い時のものであり、初感染時などで重症化した場合、
さらに激しい症状を伴うことがあります。
しかし、再発のリスクを伴う口唇ヘルペスは、
日常生活の中で注意すべきポイントが多く存在します。
ヘルペスウイルスは直接的な接触だけではなく、間接的な接触によっても感染します。
そのため、ヘルペスウイルスの感染が疑われる場合は、感染していない人との接触を
可能な限り避けて、再発の防止に努めることが重要になります。
まず、症状が激しく現れている場合には、極力家族との接触も避けなければなりません。
このタイミングでは感染力が強く、家族や恋人への感染のリスクが高まります。
次に、タオルなどの共用を避け、使用した物品はしっかりと洗って殺菌しましょう。
タオルやコップなど、唇に接触する物品の取扱いに注意し、
しっかりと洗ってウイルスの増殖・感染を防ぎます。
また、家族が口唇ヘルペスの症状を発症している、もしくは感染が疑われた場合、
神経質になりすぎる必要はありませんが、
本人に自覚症状が無くても日常生活に注意しなければなりません。
前述の通り、ヘルペスウイルスは感染しても目立った症状が起こらないことが
ありますが、体内にウイルスが存在することは間違いありません。
その場合、無自覚に家族や恋人に感染させてしまう可能性があるので、
発症している人と同様に注意しなければなりません。