毎年春になると、スギやヒノキの花粉症により、
顔や体などの皮膚の表面に、かゆみや荒れを感じて、
新宿の当クリニック皮膚科におかかりになる方も少なくありません。
スギ花粉やヒノキ花粉などのアレルゲンを吸い込む、もしくは、触れることにより、
皮膚の表面が炎症を起こすため、アレルギー性皮膚炎の一種と考えられますが、
花粉症皮膚炎とも呼ばれています。
スギ花粉やヒノキ花粉は主に春に飛散しますが、
秋や夏の花粉で皮膚炎を起こす場合も、花粉症皮膚炎になります。
花粉症皮膚炎の原因となる花粉の種類はそのほとんどがスギ花粉によるものとされています。その理由は、スギ花粉の飛散時期に症状を訴える患者様が増えるからです。しかし、ブタクサの飛散時期にも同様の症状を訴える患者様がいらっしゃるため、現状ではスギ花粉、ブタクサの花粉の2種類によって花粉症皮膚炎は起こりうると考えられています。
そもそも、花粉症という言葉が出回り始めたのは1964年頃となります。
戦争により国土の多くが焼け野原となった日本では戦後木造需要が高まりました。
そのため、農林水産省は戦後に拡大造林政策を打ち立て、成長スピードが速くて育てやすく、建築資材としてのニーズが高い杉やヒノキの植樹を斡旋しました。
これによって植樹された多くの杉は成長し、花粉を多く飛散させるようになります。
この花粉によってくしゃみや鼻水などの症状に悩まされる国民が増え、1964年に花粉症という言葉、そしてこの原因は杉の花粉によるものだという説が打ち立てられます。
その後も日本での杉の植樹は続き、杉が増え続けることで杉の花粉が飛散する時期に鼻や目などにとどまらず皮膚にかゆみや赤みが現れて皮膚科を受診する方が増えました。これによって花粉が皮膚炎にも関係しているということが分かり、花粉症皮膚炎であるということが分かったのです。
花粉の付着や花粉を気道に吸い込んだことにより、皮膚の表面に炎症が起こります。
皮膚のかゆみや赤み、かさつき、がさがさなど、湿疹の状態になることが多いです。
一般的な花粉症の目のかゆみ、鼻水、鼻づまりなどの症状と同時に、
皮膚炎が引き起こされることも少なくありません。
発症するのは特に女性が多く、更にアトピー性皮膚炎がある人は約30%にこの症状が現れやすいです。また、鼻や目などに花粉症の症状がない人でも花粉症皮膚炎が起こる可能性があります。少しでも皮膚に違和感を感じた場合は注意して予防を行うことが必要です。特にアトピー性皮膚炎が既往歴にある人は、アトピー性皮膚炎の治療を行っていくことで花粉症皮膚炎の改善につながる可能性もあるため、既往にあれば治療を行っていくことも勧められます。
そして、花粉症皮膚炎はかゆみを伴う場合が多いですが、搔いてしまうことで症状を悪化させる可能性があります。そのため、痒みがあってもかかないように注意しましょう。
新宿、西新宿にある当院皮膚科では花粉症皮膚炎の相談で多くの患者様に来院して頂いております。稀に、花粉症皮膚炎を疑って来院されたけれども別の疾患であったという場合がございます。正確な診察を行うための参考になりますので、当院皮膚科に来院される際にはいつごろからどのような症状がどういった時に現れるかをメモを取っていただき、診察時にお伝えいただければと思います。
皮膚の表面の状態をみながら、適切な治療をおこないます。湿疹の状態であれば、
保湿剤やステロイドの塗り薬(キンダベートやロコイドなど)を使用します。
鼻水や目のかゆみも併発している場合は、
抗ヒスタミン薬(アレグラやアレロックなど)を併用することもあります。
飲み薬は、皮膚の症状も改善する作用があるので、便利です。
花粉症皮膚炎かどうかは問診や診察の他にパッチテストや採血、スクラッチテストを行うことが多いです。パッチテストや採血は花粉症の診断に、スクラッチテストは現状の皮膚炎が花粉症皮膚炎かどうかを調べるための効果的な検査になります。これらの検査によってスギ花粉症もしくはブタクサ花粉症と判断した場合には花粉症皮膚炎の確定診断をさせて頂いております。
花粉症皮膚炎の治療にはステロイド剤の塗り薬と抗ヒスタミン、抗アレルギーの内服薬を使用して治療を行います。
場合によっては花粉症皮膚炎の治療に使用していたステロイド剤と花粉が反応して症状が悪化してしまうこともあるためそういった場合には別のお薬で治療をさせて頂くこともございます。
また、花粉症皮膚炎の予防には保湿が有効としておりますので、新宿、西新宿地域にある当院皮膚科では質の高い保湿剤もご用意し、患者様の肌の状態に合わせて処方をさせて頂いております。そのため、まずは一度ご相談いただければと思います。
花粉症皮膚炎は皮膚の露出部に症状が現れやすいものです。そのため、花粉の季節に皮膚を露出しないことが最大の予防法となります。特に皮膚が柔らかい頸部と顔に症状は現れやすいため、マスクやサングラス、帽子を装着したり、首元が空いている服をさけるようにすると良いでしょう。
衣服は、つるっとした素材のものを着用するようにして洋服に花粉がつかないようにし、帰宅時は玄関先で洋服をはたいて花粉を落としてから入りましょう。
花粉飛散時期の洗濯物は、外に干さずなるべく部屋干しをすることで、花粉症皮膚炎を予防することができます。また、外出後は顔や頸部を流水で洗浄する、もしくは濡れたタオルで拭くなどして花粉を洗い落とすと症状の出現を予防することができます。
さらに、肌が乾燥していると皮膚炎の症状は起こりやすくなると言われています。保湿をこまめにするように心がけ、皮膚炎が起こりにくい肌を作ることが必要です。
新宿、西新宿を中心とした幅広いエリアの方にご利用いただいている当院皮膚科では必要性のない治療や投薬はせず、患者様の負担を最小限とした質の高い医療の提供をモットーにしております。
花粉症皮膚炎はでお悩みの方、花粉症でないけれども皮膚に症状が現れる方、検査をご希望の方などまず一度相談をしたいという方はどうぞお気軽に当院皮膚科をご利用いただければと思います。