かゆみ外来

かゆみ外来の治療・診察

当院皮膚科ではかゆみの治療をおこなっております。

 

かゆみとは、モゾモゾとした思わずかきたくなってしまう皮膚の不快感のことです。じつは痛覚の一種で、痛みのごく弱いと皮膚科では認識しています。 かゆみはさまざまな皮膚の病気によって引き起こされますが、いずれもかきこわせば症状が悪化してしまう症例ばかりです。

 

しかし「かいてはいけない」と思うほど強く感じるのもかゆみです。かゆみは緊張などの精神的な影響によっても大きく左右されるものだからです。

また、かゆみは身体のどの部位にも起きる可能性があります。かきたいけれどかけないという場所のことも当然あります。かいてもダメ、かけなくても苦しいと進退窮まるかゆみですが、ついたかがかゆみと放置してしまいがちです。

 

しかし、それでは自体は改善しません。かゆみは我慢せずに皮膚科で治療を受けることをおすすめします。

 

かゆみの原因

かゆみの原因となる皮膚の病気には、じつにさまざまなものがあります。

じんましん、湿疹、アトピー、あせも、かぶれなどいずれもしっかりとした治療が必要です。また、虫刺され、手荒れ、乾燥などでかゆみが起きることもあります。 

 

季節の変わり目は肌のコンディションもおかしくなりがちなので、どうしてもかゆみも発生しやすくなります。 睡眠不足、ストレスが誘因になることもあります。

 

かゆみを治すには原因となっている皮膚病をしっかりと治療し、生活習慣を見直す必要があります。きちんと睡眠をとり、栄養バランスの良い食生活を心がけ、リラクゼーションタイムを作るなど、生活全体を整えることも大切なのです。

 

しかし、ごく稀にではありますが内臓の病気が原因のこともあります。いずれにせよ長引くかゆみを放置し続けることはおすすめできません。また、稀なケースではありますが、肝臓疾患など何らかの内臓の病気が原因のこともあるので要注意です。

 

病例

かゆみの一症例として、冬の乾燥による皮膚トラブルがあります。とくに冬場は背中やすねなどの乾燥に悩んでいる人も少なくありません。

 

じつは背中やすねは皮脂の分泌が少ないために乾燥しやすく、皮膚のバリア機能が低下しがちな部位なのです。バリア機能が十分働かなくなると外部からの刺激でコンディションが左右されやすくなり、少し乾燥しただけでかゆみを感じるようになります。

 

かゆみを治療せずに放置しているとどんどん強くなり、ついかきむしってしまいます。かきこわした後が湿疹化したり炎症を起こしてどんどん広がっていくということもけっして稀なことではありあません。

 

皮膚がカサカサして、白い粉をふき、赤みやかゆみを生じるようになったらそれは乾燥肌のサインです。乾燥肌は遅かれ早かれかゆみがあらわれるので、早めの治療開始をおすすめします。

 

かゆみの治療方法

かゆみの治療はその原因となった皮膚病を治療することがポイントです。

 

一口に皮膚病といってもさまざまな症例があるので、正しく診断して適切な治療を行うようにしなくてはいけません。かゆみの原因となっている物質をブロックすることも重要です。

 

かゆみはヒスタミン、サイトカイン、サブスタンスPなどが、かゆみセンサーであるCファイバーまたはアレルギーの原因となるマストセル細胞を刺激することでひきおこされます。かゆみを感じてかきこわし、傷ついた皮膚はますます刺激を受けやすくなりかゆみが増すという悪循環を断つことがかゆみ治療の第一歩です。

 

それには全身の状態をトータルで考えることももちろん大事ですが、局所的なかゆみをひとつひとつ改善していくことも欠かせません。 塗り薬で皮膚表面のかゆみを鎮静化するとともに、内服薬でかゆみの原因物質と神経の間を遮断するといった二段構えで、かゆみを根本から根絶するようにしましょう。

 

かゆみの改善例

かゆみは投薬治療がメインとなりますが、数多くの改善例があります。塗り薬には皮膚の炎症を抑えるステロイド剤が著しい効果を発揮することが多々あります。 もちろん非ステロイド剤やタクロリムス軟膏による治療もあり、好みによって選択することもできます。

 

塗り薬はけっして強くこすりこんではいけません。不必要な摩擦が皮膚を刺激してかゆみをひどくしてしまうことがあるからです。

 

まず赤く腫れた場所などにテンテンと乗せていき、その後で指の腹で薄くのばしていくことが上手に塗るポイントです。身体の内側からかゆみを抑えるためには抗ヒスタミン薬が使用されます。外用薬と内服薬を組み合わせることがかゆみの早期改善にはかかせません。

 

また、多少かゆみがひいたからといって、自己判断で薬をやめて悪化してしまった例もあります。必ず指示通りに服用するようにしましょう。

 

費用

かゆみ治療にかかる費用は、それぞれ原因となる病気を治すためのものとほぼ同額です。かゆみはさまざまな皮膚病の症例のひとつになっています。

 

つまり、ある皮膚病を治すということは、そのかゆみも除去することが含まれているというのが大半だからです。1回あたりに必要な費用は3割負担の場合、数百円から数千円と幅があります。

トータルでかかる治療費も、数回の通院ですむことが多い湿疹と、数年にわたる治療が必要になりがちなアトピー性皮膚炎では当然違います。 さらに、内臓疾患由来のかゆみが疑われる場合には、さらに血液検査で数千円ほどかかることもあります。

 

ゆっくりと穏やかな薬で治療したいのか、強めでもかまわないのでしっかりと治したいのかなど、医師に相談してみることをおすすめします。

 

診察までの応急処置

早期治療がおすすめのかゆみですが、すぐに治療を受けられない時には応急処置を施しておくことをおすすめします。 もちろん皮膚科の治療ほどの効果はありませんが、かゆみを悪化させないためには大切なことなのです。

 

かゆみは体温の上昇とともに強くなります。ですから、かゆみの応急処置としてはまず冷やすことがポイントになります。保冷材や氷をハンカチなどで包み患部に当てると、かゆみがやわらぐのを感じることができるはずです。

 

かゆみが身体全体に広がってしまっている場合には、入浴の際は、ぬるめのシャワーを浴びます。抜本的な解決にはなりませんが、かゆみを緩和してかきこわしによる悪循環を予防することは十分できますので、試してみて損はありません。

 

再発予防

せっかくかゆみを治療しても再発しては元も子もありません。再発予防としては、かゆみの原因となった病気をぶり返さないようにすることが一番ですが、くわえて日常生活を見直すようにしましょう。

 

アルコールや刺激物を過剰に摂取することはかゆみの原因にもなります。暴飲暴食を避け栄養バランスの良い食事をとるように心がけましょう。 また、ストレスもかゆみをひどくします。十分な睡眠をとり癒しグッズを取り入れるなどして、日常生活の中で意識してストレスを減らしてい工夫も必要です。

 

物理的な刺激をなるべく肌に与えないようにすることも大事です。直接肌に触れる下着類は化繊ではなく綿100%にするなど、少しの注意でかゆみを予防することは可能です。 かゆみは一度くせにしてしまうと繰り返しやすくなります。

 

日常生活の中でしっかりと再発予防をして、くせにしないようにすることが非常に重要です。

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