脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

脂漏性皮膚炎 (しろうせいひふえん)の治療・診察

新宿西口にある当院では脂漏性皮膚炎の治療も行っています。脂漏性皮膚炎は別名、脂漏性湿疹とも呼ばれています。脂漏とは毛穴から分泌される皮脂が過剰になった状態のことです。


脂漏によって皮膚表面に余計な皮脂がたまっているところに紫外線や癜風菌の刺激が加えられて、皮脂が脂肪酸に分解されます。この分解が行われる時に起きる炎症を脂漏性皮膚炎というのです。


癜風菌はつねに皮膚にある菌の一種で脂を好む性質があるため、脂漏状態の中では繁殖し過ぎてしまうのです。

 

脂漏性皮膚炎
(しろうせいひふえん)の原因

脂漏性皮膚炎は幅広い年齢層が発症しますが、乳児と大人では原因が異なります。


乳児は毛穴が未発達にもかかわらず皮脂の分泌が盛んです。そのため、どうしても分泌された皮膚が毛穴から十分排出されず詰まってしまいがちです。毛穴付近で停滞している皮脂をエサに癜風菌が増殖し、炎症を起こしてしまうのです。


一方、大人は男性ホルモン過多によって皮脂の分泌が盛んになることで脂漏性皮膚炎が引き起こされてしまいます。女性でもホルモンバランスの乱れによって発症することは多々あります。

 

病例

脂漏性皮膚炎は皮脂腺が集まり皮脂の分泌が多い場所によく見られます。頭皮、毛髪の生え際、脇の下、耳の中とうしろ、前胸部、鼻の脇などが該当します。このような場所にかゆみ、炎症が起きたらそれは脂漏性皮膚炎の可能性大です。


炎症とかゆみを起こしますが、けっしてかきこわことのないように注意しましょう。もし、どうしても我慢できない時には氷や保冷剤をハンカチに包んで気になる部位にあてるだけでもかなり楽になります。


大人は乳児よりも再発することが多く、治りも遅くなりがちです。

 

他の疾患と見分けるポイント

脂漏性皮膚炎には似たような疾患がいくつかあります。


たとえば、ともに赤みやかゆみが特徴の日光アレルギーと見分けるには手荒くはなりますが、日光に身体を当ててみて赤みが出るかどうか調べるという方法もあります。また逆にしばらく日光に当たらなくても症状が緩和しないならそれは脂漏性皮膚炎もしくはまた別の疾患かもしれません。


また、ともに頭皮がジクジクしてかさぶたができる脂漏性皮膚炎と白癬も見分けがつきにくい疾患です。かさぶたにカビがいないかどうか、精密検査することもあります。

 

脂漏性皮膚炎
(しろうせいひふえん)の治療方法

脂漏性皮膚炎では患部を清潔に保つことが何よりも重要です。毎日患部を洗浄して、皮脂や鱗屑を適度に落とすようにしましょう。


しかし、強くこすったりかきむしったりしてはいけません。炎症を抑えるためにステロイド軟膏や抗真菌薬を患部に塗ります。かゆみ止めの抗ヒスタミン薬、皮脂の分泌を抑制するビタミン剤などを飲む場合もあります。


投薬治療によって一時的な改善が見られたとしても、癜風菌が繁殖しやすい環境のままではすぐに再発してしまいます。寝具をこまめに干すなど日常生活を見直すことも非常に重要です。

 

脂漏性皮膚炎
(しろうせいひふえん)の改善例

脂漏性皮膚炎は癜風菌が原因ではありますが、癜風のように感染症というわけではありません。癜風菌が分解した皮脂による刺激などで湿疹が生じただけのものです。


ですから、外用のステロイド薬や抗菌薬を塗って、1週間から2週間ほどで症状が改善した例が多数あります。ただし、数ヶ月ほどで再発してしまう例も少なくありません。


また、新宿区西新宿の高層ビル群が職場で、営業で人と接するお仕事で脂漏性皮膚炎によるフケが気になっていた方も、薬を使用することにより、フケが目立たなくなった改善例もあります。


費用

脂漏性皮膚炎の治療にかかる費用は、3割負担と考えて診察料と薬代を含めて、およそ2000円前後です。よりリーズナブルにすませたいならばジェネリック医薬品を使用するのも一つの方法です。


脂漏性皮膚炎はあせもなどと勘違いしやすく、何年もそのまま放置している人も少なくありません。

 

また、皮膚科で長期間治療しているにもかかわらず改善されない症例を抱えているならば、脂漏性皮膚炎を一度疑ってみると良いでしょう。いずれにせよ、ある程度は繰り返すことが当たり前の疾患なので気長に治療していくようにしましょう。


診察までの応急処置

脂漏性皮膚炎はできるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめしますが、難しい時には自宅で応急処置を施しておきましょう。


応急処置といっても特別なことが必要なわけではなく、たとえば頭部にできたならばとにかく頭皮を清潔に保つことが大事です。癜風菌の繁殖を少しでも抑えるために抗真菌剤を使用したシャンプーを使用してみるのも良いでしょう。


ただし、必要以上に皮脂を洗い落としてしまう商品は避けた方が賢明です。なぜならそれはかえって正常な皮膚が痛むこともあります。すすぎ残しのないように注意することも大切です。


再発予防

脂漏性皮膚炎の再発を予防するには、生活習慣を見直すことがカギになります。


つねに皮膚を清潔に保つのはもちろんのこと、衣食住についてもチェックしてみましょう。バランスの良い食事を心がけるだけでなく、とくにビタミンB群を積極的に摂るようにします。睡眠は十分とって規則正しい生活を心がけましょう。

 

過労やストレスにはよく注意しなくてはいけません。直接肌に触れる下着類や寝具をこまめに洗濯し、部屋はすみずみまで掃除するなど、生活環境を整えることが何よりの再発予防になるでしょう。