クラミジア
クラミジアとは
クラミジアトラコマティスという細菌による感染症で、日本では感染者数が一番多い性病です。
特に、10代後半から20代にかけて感染者が増加しており、男性、女性ともに感染しても症状を感じにくく、気づかないままパートナーにうつしてしまうことがあります。
男性では尿道炎、精巣上体炎などを、女性では子宮頸管炎、卵管炎、卵管周囲炎などを発症します。
クラミジアの種類
クラミジアは1980年後半まではC. trachomatisと C. psittaciの2種類しか知られていませんでした。
しかし、その後の研究によってクラミジアは4つの分類に分けられることが分かりました。
しかし、その分類もかなり複雑であることから引き続き研究が行われています。
原因
クラミジアに感染していると、HIVへの感染が3〜5倍になると言われています。
妊婦の方は妊婦検診を受けることにより、出産時の母子感染を防ぐことができます。
口腔への感染
のどに感染すると、咽頭炎や慢性の扁桃腺炎になることもあります。
のどの腫れや痛み、発熱などの症状が出ることもありますが、症状が出ない場合が多いようです。
クラミジアの母子感染の恐ろしさ
クラミジアの症状は、男女差はありますが軽い症状や無症状であることが多いです。その反面、母子感染によって新生児にクラミジアが感染した場合は、時に新生児の命を危機にさらしてしまう恐れもあります。
クラミジアが母子感染する場合において最も恐れるものは、クラミジアの感染によって「肺炎」や「結膜炎」を発症するケースです。新生児の生後5日ほどで発症し、新生児は抵抗力も低いため場合によっては重篤な事態になってしまうケースも少なくありません。クラミジアの母子感染のリスクは、場合によっては20%弱まで上ることもあります。他には「目に感染する」というケースも考えられます。
妊娠発覚時にクラミジア検査
昨今は妊娠発覚時にクラミジア検査を行いますので、クラミジアの感染に気が付かないまま出産を迎えるというケースは少なくなってきています。しかし、妊娠中の性行為によるクラミジア感染のリスクは残りますので、男性も十分に注意しなければなりません。
妊娠を機に、夫婦そろってクラミジア検査を受け、必要であれば治療を受けて、その後はクラミジアの感染経路を遮断すれば、基本的にクラミジアの母子感染はほぼ確実に防げることになります。ただし、これで絶対にクラミジアの新生児への感染を防げるというわけではありません。
また、出産以前の段階でも、クラミジアが妊娠に悪影響を及ぼす可能性もあります。妊娠前は「不妊」の原因になる可能性があり、妊娠後は「流産」や「早産」といったリスクを高めることになります。生まれる前の段階から、赤ちゃんに対して非常に悪影響になりますので、妊娠を考えている場合はクラミジアに対する警戒心を十分に持っておくことをお勧めします。
検査
新宿のように人が多いところでは他の地域と比べても性感染症も多くなります。
当院泌尿器科でも感染症に悩む患者様が多く受診されますが、性感染症の中でも比較的多く見られるのがクラミジア感染症です。
感染者との性行為でおおよそ数十%程度の感染率ともいわれていますが、症状が乏しい、もしくは無症状といったケースもあり、検査に至るまでに時間がかかることもあります。
病状が悪化してしまうと治療時間の延長もあり得ますので、できるだけ早めの検査をおすすめします。
来院の際にはどういった症状か、どのような経緯を持って症状が現れたかなど問診をはじめとして情報を収集いたします。
クラミジアは顕微鏡を使用してその場で確認することはできないため、結果が出るまでは1~2日程度必要となります。
クラミジア感染症の検査には、複数ありますが、比較的多く用いられているのは、PCR(Polymerase Chain Reaction)法です。
PCR法は、男性の場合は、クラミジア感染の疑いのある方から採取した尿を温めたり冷やしたりを繰り返して、遺伝子を増幅させてクラミジアトラコマティスの検出を試みる検査法です。
この際採取する尿は、朝起きたばかりのもの、あるいは前の排尿から約2時間後以降のものを採取します。
このPCR法は非常に感度の良い検査方法です。そこで、最終診断は総合的に医師が判断します。
そのほかに血液検査をする場合があります。
クラミジアIgAやIgGといった菌に対する抗体の有無を確認します。
体内に不必要な菌が侵入することで、どういった性質のものか確認しながら対抗するために特別なタンパク物質が生じます。
これがIgAやIgGにあたります。
二つは生じる速度も違いますが、IgGは消失するまでに数年かかるといった特質があるため、以前に感染した既往があると現在の状況に関わらず反応してしまう場合があります。
どちらの検査にしても身体的に大きな苦痛を及ぼす検査ではありません。
パートナーの検査も必要?
もし、新宿にお勤めお住まいの方で当院泌尿器科や性病科を受診してクラミジアであると診断された場合は、パートナーの方も検査を受ける必要があります。前述の通り、クラミジアは日本で最も多くの感染者が存在する性病であり、その感染リスクは極めて大きいものと言えます。
そのため、クラミジアの検査と治療は、パートナーと同時に受けられることをお勧めします。お忙しい場合でも、新宿にお住まいの方もしくはお勤めの方は、当院泌尿器科にて検査および治療を受けてください。当院では、男性の患者様のみとさせていただいております。女性の方は、婦人科を受診してください。
また、仕事でお忙しい方は、なかなか病院へ行く機会を作れないのではないかと思います。そのような場合には「性病検査キット」を利用される方もいらっしゃいます。性病検査キットは、簡単な検査物採取とその郵送によって、郵送やインターネットで性病の有無を検査することができるキットです。
もちろん、これには治療のためのキットは含まれていませんので、検査キットを使用してクラミジアやその他の性病に感染していることが判明したら、性病科や泌尿器科を受診するための時間を作るようにしましょう。
検査に関する注意点
思い当たる日から少なくとも2~3日後に受診するようにしましょう。
しかしクラミジアは潜伏期間が比較的長いとされ1週間〜3週間と言われます。
感染してこそ症状が現れてきますが、男性では半数の方が無症状であるともいわれます。
感染の疑いがある方では、こういった潜伏期間も知っておき、その間は性行為をしないということも必要です。
新宿の当院泌尿器科を受診される場合にも、新宿周辺でお勤めであれば、お仕事の合間に受診されております。
治療法
クラミジア感染症の治療には、抗生物質による薬物療法が行われます。
1回服用し、1週間後に再受診し、必要があればもう1回服用します。
治療して症状がなくなっても、まだ、病原菌は残っている可能性がありますから、クラミジア感染症が完治しているかどうかの確認検査をする必要があります。
確認検査は、PCR法は感度のいい検査方法なので、薬の効果が消えてから2週間を経過してから行われます。
クラミジアの完治判定
クラミジアが完治したかどうかは、投薬開始してから行います。
新宿にある他院で治療は行ったが、完治しているかどうかを再検査したいという場合でも当院泌尿器科では検査を行うことができます。
クラミジアの治療薬
クラミジアの治療には抗菌薬が用いられます。
主に使用される抗菌薬の種類はテトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系の薬剤です。
特にマクロライド系やキノロン系は抗菌効果が高いことから第一選択として使用されることが多くなります。
新宿にある泌尿器科の多くはこれらの薬剤の経口投与が治療の基本となります。
また、重症例に対しては点滴をおこなう場合もあります。
薬剤の中にはクラミジアの陰性化率が低いため治療薬として向いておらず、新宿・西新宿のエリアにある当院泌尿器科では使用されない薬もあります。
クラミジアの治療費用
新宿には泌尿器科がたくさんありますが、保険診療におけるクラミジアの治療費用は抗菌剤の内服であれば、診察代や検査代は3000円前後、薬代は2000円前後です。
クラミジアを疑わせる症状がない場合、もしくは症状がなくクラミジア検査をしたいという場合は、検査費用が自己負担となるため、クリニックごとの自由診療になり、高額な費用負担となることもあります。