男性の淋病
男性の淋病の治療・診察
新宿駅前にある当院泌尿器科では男性の淋病の治療も行っています。1回の性的接触で淋病がうつる可能性は少なくとも30%、場合によっては80%ともいわれます。感染率は性接触の内容、相手が持っている病原菌の量、自分の抵抗力によって左右されます。
男性の場合は正接触の後に排尿したか、排尿量はどれぐらいだったか、排尿までの時間はどれぐらいだったかという要素もからんできます。
女性は男性にくらべるとほとんど自覚症状がありません。ですから、女性が知らず知らずのうちに男性にうつしてしまうということもあります。
のどにも感染することが特徴で、口を使用した性行為により伝染します。
淋病の病原菌は薬剤耐性を獲得しやすいので、完治まで時間がかかることも特徴です。
男性の淋病の原因と病例
淋病は淋菌が粘膜に感染することで起きる病気です。
男性は尿道の入口から淋菌が侵入して尿道で増殖することで発症します。淋菌が精管を逆行して精巣上体にいたると副睾丸炎を併発し、精巣全体が膨らみ激しく痛みます。
さらに淋菌が精巣から血液中に入り込むと38度以上の熱を出すこともあり、これが精巣両側で起きると不妊症になる可能性もあります。
排尿時に痛みやヒリヒリとした灼熱感を感じたら淋病の疑いがあります。尿道口が赤く腫れたり、黄色い膿状の分泌物があればさらに疑いは濃厚です。
クラジミア尿道炎が似たような症状を示しますが、淋病の症状の方が強めにあらわれます。避妊具を使用することによってある程度の感染を防止できますが100%の効果があるわけではありません。
不特定多数との性交渉を避けるのもひとつの方法です。
男性の淋病の治療方法
男性の淋病の治療は投薬が中心になります。抗菌剤や抗生物質を約1週間服用して、1週間後の診断で治りが良くないようならばもう1週間服用するという治療を続けていきます。
淋菌は耐性がつきやすいので完治するまではどうしてもある一定以上の期間が必要です。
淋菌が薬剤耐性を獲得しやすいのは、口の中にいる淋菌の仲間のナイセリアが関係しているといわれています。
ナイセリアはかぜや扁桃腺炎で処方された抗生物質にさらされることが多いため鍛えられています。口を使用した性行為でナイセリアが移動して、そこにいた淋菌に耐性を与えてしまうという説もあります。
クラジミアと同時感染することが多い淋病ですが、治療薬がそれぞれ異なるため数種類の投薬をする必要が生じてしまいます。
治療薬
男性のクラジミアの治療で使用される内服薬にはニューキノロン系のグレースビット、マクロライド系抗生物質のジスロマックなどがあります。薬を飲むだけではなかなか症状が改善されない場合には、ロセフィンの点滴や、トロビシン筋肉注射を行うこともあります。数種類の内服薬を使用したり、点滴や筋肉注射と併用したりするというパターンもあります。
治癒したかどうかを確認するには尿中の淋菌をPCR法で判別します。検査は内服終了後1週間後以降に行われます。これは、PCR法では淋菌が死滅していても遺伝子が残っていると陽性と判定してしまうためです。淋菌は宿主の中でははびこりますが、一度離れてしまうと日光、乾燥、温度変化、消毒等で簡単に死滅してしまうので取り扱いに注意が必要なのです。
費用
男性の淋病治療に必要な費用は、3割負担の場合は診察料や尿中淋菌PCR法の検査費用を含めて3000円前後です。それに加えて薬代もかかります。どの薬を使用するかによっても異なりますが、だいたい1週間で2000円程度かかります。1週間きっかりで治療が終了するというケースもありますが、数週間薬を継続する場合もあります。
症状がなくなると自己判断で薬をやめてしまう人もいますが、それではかえって治療も長引き費用もかさんでしまいます。症状がなくなっても菌は生きているので、必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。いずれにしても、淋病の治療はどうしても長期になりがちです。当院泌尿器科では、できるだけ保険適応の淋病治療を行い、負担費用の軽減化をはかっているので長期にたる治療でも安心して受けることができるのです。
治療のための抗生物質
当院では男性の淋病の治療にジスロマックやグレースビットなどの抗生物質を使用しています。
ただし、淋病には耐性を作りやすい性質があり厄介です。以前はペニシリンGやセフィキシムでも治療効果がありましたが、現在では耐性ができてしまったため使用されることはほぼありません。
現在は有効とされる抗生物質でもいつ淋病が耐性をつけて無効になってしまうかわかりません。
また、淋菌にも何種類かあるため一概にこの抗生物質は淋病に効く・効かないともいえません。ひとりひとりにオーダーメイドの処方が必要ともいえるのです。