職場での風邪流行

職場での風邪の感染経路は主に2つです。

1つは咳、くしゃみ、会話などで飛び散って感染する飛沫感染。もう1つは接触感染。病原体の着いた手で机、ドアノブ、コピー機、スイッチ、便座などに触れると病原体が付着します。健康な人がその付着した病原体に触れた後、自分の目、鼻、口などに触れると、粘膜や結膜を通じて感染する可能性があります。

職場での風邪流行を防ぐには、流行期のマスク着用の励行により飛沫感染を予防することと、こまめにうがいや手洗いをすることが重要です。また、水分補給をしっかりと行い、鍋などの体が温まりやすく、栄養バランスもとれた食事を摂ることや十分な睡眠をとることなどで免疫力を高めて風邪にかかりにくい体にすることも大切です。

 

風邪の流行で起こり得る、負の連鎖

同じ空間内で働くという特性上、どうしても職場の人間同士では風邪が感染しやすいものです。ですが、一度同じ職場で風邪が流行してしまうと、場合によっては「負の連鎖」を引き起こしやすくなる可能性があります。そうなる前に耳鼻咽喉科(耳鼻科)を受診することが望ましいのですが、なかなかうまくいかないのも現状です。

風邪をひくと、職場を休まれる方が多くなります。もちろん、医者の立場からもそれを推奨するわけですが、問題は「残った会社の人たち」です。職場で風邪が流行しているということは、その職場の人達には既に風邪のウイルスが感染し、潜伏期間中の可能性があります。もちろん、ウイルスが感染しても100%何らかの症状を呈するということはなく、身体の抵抗力でウイルスに対抗することができれば、症状を呈すること無く済む事が多いです。

しかし、休んでいる人が多くなると、どうしても「残った人たちの負担」が増えてしまいます。職場の事情にもよりますが、基本的に人員が十分に確保できている状態よりも、人員不足になってしまった状態のほうが、一人あたりの負担は大きくなります。肉体的にも精神的にも疲労が蓄積することになり、風邪を発症するリスクが増大します。

結果、今まで風邪をひくことの少なかった人も、感染したウイルスの暴威を許してしまうことになるのです。そうなってしまう前に、新宿でお勤めの方は、お早めに当院耳鼻科を受診してください。

 

風邪のウイルスを
遮断する方法は無いのか?

風邪は、前述の通り「飛沫感染」「接触感染」によって起こりますが、そもそも同じ職場内でもウイルスの感染経路を完全に遮断してしまえば、被害は最小限に抑えられるのではないかと考える方も少なくありません。そうなれば、冬場の内科や耳鼻咽喉科も少しは楽になることでしょう。

しかし、いくら注意しても風邪のウイルスの感染を完全にシャットアウトすることは非常に困難です。よほど本格的なマスク、それこそ研究所で使われるようなタイプのマスクでない限り、マスクでウイルスの感染経路を遮断することはできません。

市販のマスクの場合、生地の目の大きさがウイルスの大きさよりも大きいため、少なからずウイルスが通り抜けてしまいます。なので、「マスクをしていれば絶対にウイルスは行き来できない」と過信してしまうと、風邪をうつしてしまったり、うつされたりしてしまいます。

ですが、風邪の流行する時期にマスクをすることが全く無意味というわけでもありません。マスクを着用することで「少しでも風邪のウイルスの飛沫感染を抑えられる」「のどや鼻の粘膜を保護し、風邪ウイルスの活動を最小限に抑えられる」といったメリットがあります。特に、職場で風邪が流行している状態では、これによって最悪の自体を避けることにもつながります。

なので、風邪の流行しやすい冬場は、風邪が蔓延していない状況でも使い捨てのマスクを職場に常備しておくことをオススメします。昨今は使い捨てで大量に入っているマスクも安価で購入できますので、職場の経費で準備しておきましょう。(新宿や西新宿のオフィス街にある職場では、入り口や仕事場にマスクを置いていることも少なくないようです)

さらに、接触感染を防ぐための第一歩として「手」に注意しましょう。風邪をひいてくしゃみや咳をするときに、マナーとして口に手を添える方が多いです。手を添えないのと比較するとこれも大いに飛沫感染の予防に寄与するのですが、その手をそのままにしてしまうと接触感染の原因になります。細かい話になりますが、理想としては、ティッシュを口に当ててくしゃみ・咳をされることをオススメします。

二十歳を越えて、年齢を重ねるに連れて、身体の基本的な抵抗力は低下します。今まで風邪とは無縁だった人も、抵抗力の低下と仕事の忙しさによる体力の低下によって、風邪をうつされる可能性も高くなります。

新宿の職場で風邪が流行していて、熱っぽいなどの風邪の症状を自覚したら、お早めに当院耳鼻科で検査・治療を受けましょう。