鼻水
鼻水
鼻水は、鼻腔内を湿らせて鼻の粘膜を保護したり、鼻から吸った空気に適度な湿り気を与えたり、外部からの微生物やウィルスの侵入があった際には、鼻水として体の外に流し出したりするはたらきがあります。
鼻水が出るのは主に風邪をひいた時ですが、アレルギー性鼻炎によるものも多くなっています。
アレルギー性鼻炎は、花粉症のようにある特定の時期にのみ症状が現れる季節性アレルギー性鼻炎と、ダニやほこりなどハウスダストを原因とする通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。
また、鼻の粘膜はとても敏感で、風邪やアレルギーでなくても気温の変化やほこりなどのちょっとした刺激ですぐ鼻水が出ることがあります。
副鼻腔炎
鼻水がサラサラしたものでなく、ドロドロしている時には副鼻腔炎になっている可能性もあります。
副鼻腔炎には急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があり、急性副鼻腔炎は、風邪などの粘膜の炎症が、副鼻腔と呼ばれる鼻の周囲にある空洞に広がって起こります。
発熱や頭痛をともない、炎症の広がり方によっては、額の周囲、目と目の間、目の奥、歯などに痛みが現れることもあります。最初はサラサラとした鼻水が出て、その後黄色く粘り気のある鼻水に変化します。
慢性副鼻腔炎は、副鼻腔炎の状態が2〜3ヶ月以上続いた場合に診断されます。
ウイルスによる急性副鼻腔炎に細菌感染が加わり、慢性的に繰り返すことで起こることもあります。
炎症が長く続くことにより、副鼻腔の粘膜が腫れたり、副鼻腔の空洞に膿がたまります(蓄膿症)。
粘り気を持った鼻水は鼻から出るだけではなく、のどに回ることもあり、他にも頭痛、頭が重い感じ、鼻づまり、嗅覚の障害などの症状が現れます。
鼻水の原因
鼻水の分泌原因は大きく分けると二つあると考えられています。
一つは、外部から鼻を通って体に侵入しようとするウイルスやほこりを洗い流すことで追い出そうとする防御反応の現れです。
もう一つは寒い場所に行ったときなど、冷たい空気が一気に肺に吸い込まれ、肺がダメージを受けることを避けようと調整するためのものです。
鼻水の症状が続くと
鼻水の症状が続くと副鼻腔炎を起こしている可能性があります。
鼻の奥には空洞になっている部分がいくつかあり、ここにウイルスや細菌によって、感染して生じた膿がたまり急性副鼻腔炎となります。放っておくと慢性副鼻腔炎に移行し、頭痛、歯痛、臭覚異常などの症状がでたり、時には気管支喘息を助長することにもなりますので早めの対処が望ましいです。
鼻水の治療方法
鼻水の治療法は、鼻水の原因となっているものを特定することから始まります。原因が風邪などで細菌性の場合は抗生物質の内服薬を処方します。
アレルギー性鼻炎ですと、アレルギーの内服薬やスプレーを処方します。副鼻腔炎が原因の場合は、細菌感染がひどい場合、抗生物質の内服を処方します。
鼻水の予防方法
部屋の乾燥が鼻粘膜に悪影響を与えてしまうため、換気や加湿器などで一定の湿度を保ちましょう。
鼻水は鼻粘膜の炎症で起きることが多いため、細菌やウイルス感染しないことが重要です。手洗い、うがいはこまめに行うようにし、外出時はマスクなどを使用するようにするといいでしょう。またアレルギーの場合は、自己のアレルギー体質や原因物質を知り、それらに近づかない、触らないことが予防となります。
鼻水の豆知識
鼻水がきっかけとなって生まれた一つのファッションがあります。
それはスーツやジャケットの袖についているボタンです。
今ではデザインの一部となっているもので、活用性はあまりありませんがこのボタンを付けるようになった人が、実はナポレオンだったと言われています。
寒い冬の戦地では、兵士たちが皆鼻水を垂らして待機しています。その頃はティッシュで拭くということはなく袖でぬぐっていました。ナポレオンは見た目の美にこだわった人であって、鼻水でカペカペになった袖が見苦しいと感じ、鼻水をぬぐえないようにボタンを付けたというものでした。今となっては無くてはならない袖口ボタンです。
鼻水に効く食事
効果のある食材だから、好きなものだからといってそればかり食べると健康維持にはなりません。バランスのよい食事は基本中の基本です。
鼻水の注意点
お子様だけではなく、成人の方でも鼻をすすりあげる癖をお持ちの方がいます。
鼻の奥と耳は管によってつながっていますので、鼻をすすることで菌やウイルスが奥まで入っていくことになります。これが原因で中耳炎が起きたり、また耳の鼓膜に圧力がかかって鼓膜の歪みが生じたりしますので、鼻はすすらずに鼻をかむことを習慣づけすることが望ましいです。
鼻水の種類
透明なサラサラした鼻水から黄色い粘り感のあるもの、または緑色の粘度の高い物があります。一般的な傾向としては、透明でサラサラしたものは、アレルギー性鼻炎や風邪などの初期段階に見られるもので、身体に入ったウイルスが免疫機能と闘うことで、白血球の死骸が鼻水に混入すると黄色や緑の粘つく鼻水になります。
また風邪が長引いてドロッとした鼻水が続く場合は、副鼻腔炎へ移行している場合もあります。
鼻水の治療薬
風邪による鼻水症状の場合には原因によっても異なりますが、PL顆粒など感冒薬など鼻水止めの成分が入った薬を処方いたします。
アレルギー性の鼻水には、アレグラ、アレロック、タリオンなどの抗アレルギー薬を処方いたします。副鼻腔炎による鼻水には、細菌感染がひどい場合は、クラリスロマイシンなどの抗生物質を処方いたします。
新宿にお勤めの方にも鼻水の症状に悩んでいる方がいますが、薬の副作用はお仕事に支障を来たすので薬は飲めないという方には、眠気が出にくい薬の処方で対応可能となりますので、内科担当医師(耳鼻科領域を内科診療)にお申し出いただければと思います。
鼻水の検査
アレルギーが原因であることがほぼ確定する場合は、どんな物質のアレルギーなのか特定するために血液検査を必要とすることがあります。
鼻水の保険診療
当院は新宿もしくは西新宿周辺にお住まいの方やお勤めの方に多くご利用いただいていますが、鼻水に関する診療は内科や、耳鼻科(耳鼻咽喉科)で診療可能となっております。当院内科では、処置や検査はおこなっておらず、内科的な投薬治療になります。
鼻水に関する治療のほとんどは健康保険が適用されます。
鼻水の治療費用
鼻水の状態が悪くなると、その原因である病気や感染症も進んでいることがあります。
長く放置するとつらい症状にストレスを感じるだけではなく、治療に際しても時間と費用がかさみます。変だなと感じたらすぐに受診していただくと、簡単な薬代程度で費用は収まります。