扁桃炎
扁桃炎は扁桃上の常在菌によって炎症を起こす病気です。
お子さんの方が罹りやすい病気ではありますが、大人も発症することがあります。
また、扁桃炎には突発的におこる「急性扁桃炎(アンギーナ)」とそれが習慣化しておこる「慢性扁桃炎」があります。
原因
本来扁桃は免疫細胞が多く、菌によって炎症を起こすことは稀なのですが、睡眠不足や極度の疲労、ストレスなど様々な要因によって体の免疫機能が低下したときに、常在菌である溶連菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などが増殖し、炎症がおきてしまいます。
症状
38℃から40℃もの高熱と喉の痛みが主な症状ですが、頭痛や寒気、倦怠感、関節痛などの症状が現れることもあります。
治療法
抗生物質や解熱鎮痛剤の服用や喉の消毒で治療を致します。
また、扁桃炎が年に4、5回以上繰り返すようであれば、慢性扁桃炎のため、場合によっては手術によって扁桃を切除することもあります。
扁桃炎の3つの予防方法
扁桃炎(扁桃腺炎)の予防には、3つの予防が大事になります。その3つとは、風邪・のどの乾燥・免疫力低下です。
風邪の予防
風邪の予防の基本は、こまめな手洗い・うがいです。
人間が活動していると、手には様々な細菌・ウィルスが付着・増殖します。
それらが口に入ると、炎症を起こしてしまうため、手洗い・うがいは大事です。
のどの乾燥の予防
・外出から帰ったとき以外も定期的にうがいをする
・外出時はもちろん、室内でもマスクを着用する
・加湿器や濡れタオルで居室を加湿する(40~70%位に。湿度が40%以下になると、風邪の原因になるウィルスが飛び散りやすくなります。)
・口呼吸のある人は鼻呼吸に矯正する
・禁煙する
・こまめに水分補給する
免疫力低下の予防
・バランスの取れた食事を摂る
・適度な運動をする
・十分に睡眠を取る
扁桃炎の種類
扁桃炎には、いくつか種類があります。大別すると、急性と慢性の2つです。
急性扁桃炎
38~40度の発熱や寒気・つばを飲み込む事さえつらい位の喉の痛み・頭痛・体のだるさ等といった症状が現れ、1週間ほどで段々によくなる扁桃炎を急性扁桃炎といいます。
なお急性扁桃炎は、完治しないうちに治療を中断すると、悪化することがあるので要注意です。
具体的には、咽喉の腫れ・痛みがさらに激化する、「扁桃周囲炎(扁桃の周りに強い炎症が起こる)」や、「扁桃周囲膿瘍(扁桃周囲炎の発生部位に膿が溜まる)」へと進行する可能性もあります。
慢性扁桃炎
急性扁桃炎が繰り返し起こる場合には慢性扁桃炎といいます。
慢性扁桃炎は、さらに以下の3つに分類されます。
・慢性単純性扁桃炎
咽喉の痛みや乾燥・異物感・微熱などの症状が続きます。
子供よりも、大人に多いとされています。
・習慣性扁桃炎
反復性扁桃炎ともいいます。
その名の通り、急性扁桃炎を繰り返します。
こちらは、子供に多いとされています。
・扁桃病巣感染症
扁桃に慢性的な感染が続くと、扁桃以外の部位(皮膚・関節など)にも症状が出る場合があります
併発する症状としては、頻度は低いですが、主に以下のようなものがあります。
・リウマチ
・掌蹠膿胞症(→手の平や足裏に、小さな水胞・膿胞が多発する病気)
・胸肋鎖骨過形成症(→胸骨・肋骨・鎖骨に、原因不明の異常な骨増生が起きる)
・IgA腎症(→腎臓の糸球体のうち、メサンギウム領域という部分に、免疫グロブリンA(=IgA)が沈着することが主徴候です。)
扁桃炎の治療薬
抗生物質の内服なしで経過を見る場合もありますが、治療の中心は、抗生物質の内服が主となります。できれば、原因菌を特定した上で、ピンポイントで原因菌だけを叩ける抗菌薬を投与したいところなのですが、扁桃炎の原因菌は色々で特定しにくいため、やむなく抗生物質投与となります。
次に対症療法ですが、痛みが著しい場合は解熱鎮痛剤を併用します。
扁桃炎の検査
細菌検査
感染症の疑いがある場合、その原因菌の種類を特定するための検査です。
検査材料は、唾液・血液・尿などの体液、口腔粘膜などの組織、分泌物などです。
扁桃炎の場合は、溶連菌が疑われる場合、綿棒等で扁桃部をぬぐって、迅速簡易検査することもあります。
血液検査
細菌感染症や、それに伴う炎症などでは、血中の白血球数増加や、C反応性たんぱく質(CRP)の高値、赤血球沈降速度(赤沈)の亢進などがみられます。
EBV(Epstein-barr ウィルス)検査
採血し、EBウィルスの肝臓への感染の有無を調べます。
なぜなら、EBウィルスが原因となる伝染性単核球症から継続発症する急性扁桃炎の場合は、肝機能障害が一時的に起きるからです。
新宿区西新宿にある当院耳鼻科または耳鼻咽喉科での内科診療による扁桃炎の治療法
新宿駅西口から徒歩1分と比較的通い易い場所に立地しております。
新宿(西新宿)エリアで、扁桃炎でお困りの方で、内科や耳鼻科(耳鼻咽喉科)をお探しの方は、お気軽に当院内科をご利用ください。飲み薬の処方での治療になります。検査や処置はおこなっていませんので、ご了承ください。