喘息

これって喘息?
喘息に移行しやすい症状とは?

 

喘息とは

人が呼吸を介して空気を吸い込みますが、空気は気管支を通って肺に到達します。喘息はその気管支の病気となります。

原因にはダニや花粉などのアレルギーや喫煙などの非アレルギーのものとがありますが、もともと人には免疫反応というものがあり、外からの異物に対して身を守るため炎症をおこします。

気道で炎症がおきることで気管支の筋肉が収縮し、粘膜が腫れ、気道が狭くなることで喘息となり、正常な気管支に比べるといつも過敏状態が続いていることになります。

 

喘息の症状

 

花瓶となっている気道に刺激が少しでも入ってしまうと喘息の症状や発作が起こるしくみとなります。
症状は呼吸に合わせて気道から「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音がでたり、咳が止まらなくなる、痰が切れないなどの症状が現れたり、また胸や背中が痛くなったり、動悸が生じることなどがあります。
喘息発作が起きると呼吸困難に陥り、病院での救急処置が必要になることもあります。

 

風邪が原因になることも?喘息の原因ときっかけとは?

 

喘息の人はダニや花粉・ハウスダストによるアレルギーなどが原因となり、
慢性的に気管支粘膜に炎症が続くため、気管支が狭くなっています。

喘息発作を起こすと、気道粘膜がむくみ、筋肉が縮むことで空気の通り道がふさがり、
「気道閉塞」を引き起こすことがあります。

ひどくなると動けなくなるほどの発作に繋がるので注意が必要です。
こうした慢性的な炎症を引き起こすきっかけとなる病気に、咳喘息があります。

咳喘息は、風邪などの感染症のあとにのどの炎症が残り、咳が長期間取れない状態のことです。
咳が8週間以上続く場合は咳喘息の危険が高くなります。

1~2カ月の薬物療法で治療しますが、
そのうちのある程度の人がそのまま喘息に移行することが知られています。
咳が気になる場合は放置せずに、なるべく早いうちに治療を始め、炎症を抑えることが大切です。

 

喘息の予防方法

 

・マスク

普段からアレルゲンとなるような、人ごみ、空気の汚れた場所、冷たい外気などの環境がある場合はマスクで気道を保護しましょう。

 

・禁煙

タバコは気道を敏感にし、免疫反応起こしやすくさせるものですので気道に入ってきた物質に対してアレルギー反応を起こしやすくなります。
またたばこに含まれている化学物質は6000種類以上となりますので、百害あって一利なしです。

 

・飲酒を避ける

アルコールを摂取することでアルコール分解の過程でヒスタミンが分泌され、ヒスタミンが気道を細くします。

 

・食生活に注意する

自分がアレルギー反応を起こす食べ物はもちろん避けなければなりません。

喘息は炎症疾患ですので炎症を抑える成分としてはビタミンCやビタミンEの多く含まれたものを積極的に摂ると良いでしょう。
タケノコや里芋はアセチルコリンを含み気道を狭くする作用もあるため、注意が必要です。

また暴飲暴食は横隔膜を弱め、呼吸に悪影響を及ぼしますので食事量の加減もするように心がけましょう。

 

・ストレスをためない

喘息は心因性のものがあるといいますが、ストレスが関わってきます。
ストレスが多くなると自律神経のうち副交感神経を活発になりアセチルコリンが放出されます。
アセチルコリンが気道に作用し喘息に加担することになります。

 

喘息の種類

 

・アトピー型喘息

特定の物(カビ、ダニ、ホコリ、花粉など)に対してIgE抗体が反応して起こる喘息で、小児喘息の9割がこれに属します。

 

・非アトピー型喘息

 

IgE抗体が反応が反応しない喘息で多くは成人の方に起こります。
原因にはたばこや香水のニオイ、気温などが挙げられます。

 

・アスピリン喘息

 

鎮痛剤や解熱剤に含まれるアスピリンという成分に対して反応します。
発作が生じると症状が大きく重篤になりやすいことが特徴です。

 

・咳喘息

 

原因は不明ですが、冷たい風やたばこの煙、会話などがきっかけで咳が出ます。
喘鳴をともなわず咳だけが続き、風邪のあとに咳だけが長引くというケースが多いのが特徴です。

 

・運動性誘発喘息

 

運動を行った際に起きる喘息で、運動を中止すると30分程度で喘息は治まるという特徴があります。

 

喘息の治療方法

 

喘息の治療には喘息発作を起こさないように、環境に対する自己管理と薬物療法を行うことになります。

新宿にお勤めの方や近郊にお住まいの方などが息苦しさを訴えて当院を受診されますが、喘息の発作が治まると治療は必要ないのだろうと思っていた方が少なくありません。

喘息は喘息発作が起こらないように毎日の治療が必要となるものです。耳鼻科、耳鼻咽喉科では狭くなった気道を広げ、炎症を沈める薬や、アレルギー反応をおさえる薬などを使用します。
飲み薬ばかりではなく、吸入や貼り薬などがあります。

 

喘息の治療薬

 

<発作を予防する薬>

 

・吸入ステロイド薬:炎症を抑える作用が強い薬
・長時間作用性β2刺激薬:長い時間をかけて気管支を拡張する
・ロイコトリエン受容体拮抗薬:気道を収縮させ、炎症をおこすといった作用のロイコトリ エンという物質のはたらきを抑制
・テオフィリン徐放薬:気道を広げ炎症を抑える

 

<発作時の薬>

 

・短時間作用性吸入β2刺激薬:即効性がある気管支拡張剤
・テオフィリン薬:気管支を拡張し炎症も抑える
・抗コリン薬:気道を狭くするアセチルコリンという物質の作用を抑える

 

喘息の検査

・胸部レントゲン:喘息と似た症状を持つほかの疾患(結核や肺炎)との分別
・呼吸機能検査(スパイロメーター):呼吸機能を調べる
・血液検査・皮膚反応テスト:アレルゲンの特定
・気道過敏性試験(アストグラフ):気道が過敏になる程度を調べる
・喀痰検査:喉の炎症の程度を喉にある好中球の数で判断

 

喘息の保険診療

 

喘息治療に使われるお薬や検査などはほとんどが医療保険の対象となります。
受診される場合には必ず保険証をご持参いただくことをお願いいたします。なお診療以外での診断書などは自己負担となりますのでご了承ください。

 

喘息の治療費用

 

喘息はいっときの咳だけでは終わりません。また放置することで状態はどんどん悪化し、喘息発作を起こすと救急処置や入院治療が必要となります。

症状が重篤化するほど費用も時間も無駄に使うことになります。 新宿でご活躍の方やお住まいの方も、異常を感じた時は早めに耳鼻科、耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめいたします。

当院では最も適切とされる医療を提供し、皆さまが健康を維持できるようにお手伝いするため日々努力いたしております。小さな異変を感じましたら是非当院を受診していただきますようよろしくお願いいたします。

 

喘息の注意点

 

喘息となってしまってからは長期で薬を使用していくことになりますが、その間にも喘息以外の病気にかかることがあります。

喘息の薬の中には他のお薬と併用して飲んではいけないものもありますので、必ず受診先のドクターには薬の内容を告げるようにしましょう。
また自己判断で市販薬を重ね飲みすると危険な場合がありますので、希望する薬がありましら、薬剤師などに相談するようにしましょう。

薬の効果をあまり実感できないといって量を増やしたり、飲み忘れで一気に前の分も追加して飲むということも危険にいたりますので行わないでください。

 

自己判断は危険!喘息と間違えやすい病気とは?

 

咳や痰を伴う主な病気として、風邪・インフルエンザ・百日咳・マイコプラズマ・結核・
アトピー性咳嗽・急性気管支炎・心因性咳嗽・肺がんなどがあります。

感染症によって起こる咳から喘息に移行することもあるので、
症状が激しい場合や長引く場合には特に注意が必要です。

呼吸困難を伴う病気には肺水腫やCOPD、過換気症候群があり、
これらも咳や痰、心肺機能の低下など喘息に間違えやすい症状が起こります。

また、喘息と一緒に起こりやすい病気として、花粉症やアレルギー性鼻炎があります。
花粉症の時期は喘息発作が起こりやすい時期でもあるので、予防対策をしっかり取りましょう。

 

喘息の歴史

 

喘息を診断される方が現代ではかなり多くなってきています。

1960年代では子供たちも鼻水を垂らしながら遊んでいる姿も少なくなかったときで、
その頃は子どもと大人も含めて1%前後でした。

それが最近では子どもは6倍、大人では3倍にも増えてしまっています。

原因は住居材料がアレルゲンとなるものが多くなった、排気ガスなどによる大気汚染も増えた、食品にも化学物質が増えた、過労やストレスから避けにくい社会環境になったなどが挙げられます。

生活が豊かさを持ち新しいものへと開発が進むことで便利な世の中になってはいますが、その反面喘息や病気へのデメリットを生みだしていることになります。



新宿区西新宿の当院では、喘息の治療をおこなっています。
喘息の発作時の治療だけではなく、日頃から吸入や内服などの、喘息の予防も大切です。

予約不要で、診療しており、新宿や都内で働いている方にも通院いただいております。
お気軽にご相談ください。