便秘

便秘の治療・診察

便秘の原因

腸の働きの弱さが便秘の原因です。たとえば、大腸の排便するための力が弱ければ排便の回数はおのずと少なくなります。

それどころか、腸の機能に問題があって便意そのものを感じないケースもあります。稀ではありますが大腸の痙攣によって排便が困難になってしまうこともあります。

腸の働きを弱くする誘因はさまざまです。食物繊維が不足している食生活、ストレス、運動不足などが考えられます。運動不足によって筋力が衰えてしまうと連動して腸の便を送り出す力も弱くなってしまうのです。また、大腸がんなどによって大腸が狭くなって便秘になっている例もあるので要注意です。


病例

便秘は原因と症状によって、一過性便秘、慢性便秘、器質性便秘に分類することができます。

一過性便秘とは旅行先など普段とは違う環境下に置かれたストレス由来の便秘で、いつもの生活に戻れば治る点が特徴です。

一方、1ヶ月以上続いている便秘は慢性便秘に分類されます。症状は個人差が大きく排便困難や腹痛を伴う人、食欲不振を感じる人、腹部膨満感がある人などさまざまです。有害物質が体内で滞っているため新陳代謝が不活発になり肌荒れを起こしやすくなっています。

慢性便秘に血便や激痛がある場合は器質性便秘の可能性があります。何らかの腫瘍が腸内にできていると考えられるので大学病院等で精密検査が必要です。

 

検査

便秘の検査は基本的にはありません。しかし、器質性便秘の疑いがある場合には大学病院などで大腸X線写真、大腸内視鏡などで精密検査を行います。


その他の場合にはとくに検査はせず、問診によって必要な治療を判断します。経過を見ながら治療法を変えることもあり、さまざまなアプローチから便秘の改善を図ります。長年便秘症に悩んでいるならば、一度クリニックに相談してみるのも一つの方法です。

医師の確かな指導の下で体質改善を視野に入れた便秘治療に取り組んでみるのも一つの手かもしれません。


便秘の治療方法

食生活の改善、生活習慣の改善、薬物治療が便秘治療の三本柱です。

食物繊維と水分を十分に摂ることが、便秘の改善には必要です。根菜類、海藻類を積極的に取り入れつつバランスの良い食生活を心がけましょう。食事の内容だけでなく食事のタイミングを規則正しくするように注意することも重要です。

毎日、決まった時間に刺激を与えることで腸に生活リズムを覚えさせるのです。三食のリズムは幼児期についたものに一生左右されるという説もあります。

また、毎日の生活の中で適度な運動を習慣化しましょう。運動不足の他にも自律神経の働きを低下させるような要因は改めます。下剤による治療が必要なこともあります。便を柔らかくする湿潤性下剤、腸の運動を活発化する潤滑性下剤等を使用します。

 

費用

便秘の治療にかかる費用は3割負担で診察料と薬代をあわせて2000円前後です。

もしこれに精密検査が必要になれば別途費用がかかります。食事指導と生活指導と便秘薬の処方だけでこの値段は高いと感じる人もいるかもしれません。

しかし、内科で使用している下剤はクセになることもなく、穏やかに排便へと導いてくれるものもあります。
市販の便秘薬はすべてがそうというわけではありませんが、一度飲むとクセになってしまうものもあり、下剤がなければ排便できないというのであれば、それも問題です。

医師の指導の下で便秘がちな体質そのものもの改善できるのであれば、けっして高いものではないはずです。

 

再発予防

便秘の再発を予防するには、指導してもらった通りの食生活、生活習慣をそのままキープすることが一番です。

特に、食事には注意するようにしましょう。栄養バランスを考えたメニューを三度考えるのが大変ならば、一日の食事全部をトータルで見た時に必要な栄養素を摂ることができているならば良しとしましょう。

一食一食は多少おかしな献立でも、朝昼晩とあわせた時に必要な栄養素を網羅しているならば合格とするのです。

きちんとした食事を作らなければと緊張することでストレスを生み、それがまた新たな便秘の原因になってしまってはあまりに不毛です。リラックスして自律神経を健やかに保つ毎日を過ごすことも便秘治療では大切なのです。