過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群とは「機能性腸疾患であり腹痛や腹部の不快感が排便や排便習慣の変化に伴って発症し、排便困難を有するもの」と定義され、下痢と便秘を繰り返す病気のことを言います。機能性消化管障害(functional gastrointestinal disorders; FGIDs)に分類されるため、器質的な検査では異常が見つからないことが特徴で、その有病率は約15%ほどとされています。青年期から20代にかけて発症する傾向があり、発作性の症状が不規則に再発する疾患です。新宿にある当院内科でも多くの患者様が症状を訴えて受診される病気です。

過敏性腸症候群の種類


機能性腸症候群は便の形状によりさらに4つに分類されます。
硬便が25%以上、軟便や水様便が25%未満の場合を「便秘型」、軟便や水様便が25%以上、硬便が25%未満の場合を「下痢型」、硬便が25%以上あり、かつ軟便、水様便も25%以上の割合で起こるものを「混合型」、そしてどの基準も満たさないものを「分類不能型」に分類します。過敏性腸症候群の代表型であり医療機関を受診する確率として多いのは下痢型となります。

過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群の原因は主に3つあります。

1つは消化管運動の機能異常です。情動ストレスなどよって腸の運動が亢進することが原因です。特に怒りの情動ストレスにより頻度がさらに高まると言われています。

2つ目は内臓知覚過敏で、腸管の内腔に届く脳からの指令に過敏に反応してしまうことが原因で、脳と関係していることから中枢神経=ストレスとの関係が指摘されています。

3つ目は心理的要因によるもので、過敏性腸症候群の方は高確率でうつや不安障害、身体表現性障害(ヒステリー)を合併していることが知られています。

このように過敏性腸症候群には心理社会的ストレス、うつや不安といった情動的な変化が原因となっているのです。

過敏性腸症候群の症状

繰り返す下痢と便秘が症状として見られます。下腹部痛も症状として訴えられますが、排便により多くの場合は軽減します。下痢の場合は排便回数が増加、便秘の場合は排便回数が減少します。

過敏性腸症候群の治療方法

過敏性腸症候群は患者様によって症状が異なりますので患者様に合わせて治療を行います。便秘が優位であれば食物繊維の多い食事の指導、下痢が優位であれば刺激のある食べ物の摂取を控えるように指導します。また、それぞれの症状に合わせた薬剤も処方し経過を見ます。さらに、患者様によっては抗うつ薬などの処方を行い精神面からのアプローチをすることもあります。

新宿にある当院は内科であるため、精神療法が必要と判断した場合には精神分野を専門としている病院をご紹介させていただく場合もあります。抗うつ薬の処方はおこなっておりません。