新宿西口の当院内科では頭痛の治療も行っています。
頭痛と一口にいってもさまざまなタイプがあります。
比較的よく見られる症状が片頭痛と緊張に性頭痛です。片頭痛は20代から40代の女性に多く見られる病気です。
日本人の約8%が慢性的な片頭痛に悩んでいるというデータもあるほどよくある疾患です。閃輝性暗点という視野の一部にキラキラした黒いい光が見える前触れがあるタイプとないタイプとがあります。
脈拍に合わせてズキズキ痛むのが特徴です。
一方、緊張性頭痛は肩こりなどの緊張状態が頭痛に発展する症状です。
頭が重くしめつけられる感じが長時間にわたって続きます。日本人の20%から30%が悩んでいるとされている、非常に身近な疾病です。
頭痛はそれぞれの頭痛ごとに原因も異なりますが、まだ解明されていない部分が大きいというのも事実です。片頭痛の発生要因に関しては諸説ありますが、現在では三叉神経血管説が主流になっています。
顔面周辺の感覚を司っている三叉神経が何らかの理由で刺激されると血管が拡張して炎症が発生し頭痛が起きるというのです。
一方、緊張型頭痛は首や肩の筋肉の緊張によって引き起こされます。首や肩の血行不良、乳酸等の疲労物質の蓄積によって頭痛が起き、頭痛が起きたことによって首や肩がさらに緊張するという負のスパイラルに陥っているのです。
その他、眼精疲労、骨格の歪み、歯のかみ合わせなども原因になっているといいます。精神的ストレスもかなり関係していて几帳面なタイプほどなりやすい傾向があるという説もあります。
頭痛は片頭痛と緊張型頭痛の他にもさまざまな種類があります。片頭痛や緊張型ほど患者は多くありませんが、群発地震のようにある期間に集中して症状が出る群発地震も頭痛の一種です。
季節の変わり目に発症しやすく、一度出ると毎日のように痛みます。そのまま1ヶ月か2ヶ月ほど続いて消えます。
緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛は一次性頭痛といって明確な病気が原因というわけでもないのに繰り返す頭痛です。
症状はつらいものの、心配は少ない頭痛です。
問題は病気由来の二次性頭痛です。これまで経験したことのない突然の強い痛み、手足のしびれや痙攣、嘔吐、高熱等を伴っていた場合にはクモ膜下出血、脳腫瘍などの前触れのこともあるので大学病院や総合病院などの精密検査ができる救急外来にかかることをおすすめします。
片頭痛では頭の片方もしくは両方が脈にあわせて強く痛みます。ズキンズキン、ドクドクと一定のリズムで繰り返すことが特徴です。
どれくらいの頻度で発作が起きるかは個人差がありますが、一度起きると数時間から数日間続くことが特徴です。片頭痛が起きている間は光や音に敏感になっていて、そういったものの刺激でさらに頭痛がひどくなってしまうことも多々あります。
片頭痛にはいくつかの前兆があります。
むくみ、あくび、空腹感、疲労感、感覚過敏などが起きたと思ったら、視野の一部に黒い光が点滅する閃輝性暗点が発生し、やがて片頭痛が起きます。ただし、前兆は必ずしもあるものではなく、出る人と出ない人がいますし、同じ人でも体調等によって感じる時とまったく感じない時があります。
緊張型頭痛はまず首や肩が凝って、張っている感じが続くことから始まります。首や肩の緊張がやがて頭痛になります。
頭のまわりからしめつけられるようなジワジワとした鈍い痛みが特徴です。
症状が出ている間は痛みの程度にあまり変化はなく、ずっと同じような強さで何かでしばられているような感じがあります。
頭痛が続くと首や肩のまわりの筋肉はさらに緊張するため、ますます頭痛もひどくなります。人間の頭は5kgほどあり、それだけ重いものをおもに首や肩の筋肉で支えています。つまり首や肩のどちらか一方が傷めば他方も痛むようにできていて、悪循環を起こしやすくできているのです。
クセになってしまうことの多い頭痛で、一度発症するとなかなか治りません。
PC作業やスマホによる眼精疲労や肩こりで起きるまさに現代病です。
片頭痛の治療法は、急性期治療(発作時の治療)と予防療法の2種類があります。
急性期治療で投薬する薬は、片頭痛の症状に合わせて判断します。片頭痛になったら速やかに解消することが目的なので、鎮痛剤を服用するのが一般的です。
特別な薬剤を用います。3か月以上服用していると、薬物乱用による頭痛のリスクもあるため、使いすぎには注意しましょう。
予防療法は、月に2回以上片頭痛がある方を対象に行います。急性期治療の効果を上げる狙いがあり、急性期治療薬が使用できない方でも実施可能な方法です。β遮断薬やカルシウム拮抗薬を服用し、症状を緩和します。期間としては2か月以上続け、徐々に片頭痛が和らげば、徐々に治療薬の量を減らします。こちらは、患者さんの生活の質を上げる目的です。
頭痛の治療にかかる費用はケースバイケースですが、3割負担で診察料と処方せん料で1100円前後です。
それ以外に、調剤薬局でも薬代がかかります。何の薬を使用するかで金額も異なってきますが、例えば、片頭痛の薬剤は、非常に高価で、保険診療の場合でも、10粒で3000円前後するものもあります。人によって一番効き目のある薬は異なってくるので、もしかしたらそのような薬を選択せざるを得ないケースもあるでしょう。
しかし、最近では効果はほぼ同じで安価なジェネリック医薬品もあるので、そういったものを使用するのもひとつの方法です。
また、薬を選択する時に忘れてはいけないのが副作用です。少しでも眠気が出たらいけない職業の人などは医師に相談してみることをおすすめします。
頭痛は急に起きることが多いのですが、どんな時に痛みに襲われても良いようにある程度の応急処置を覚えておきましょう。片頭痛は光に反応してしまうので、もし室内にいたならばなるべく照明は暗くします。静かな場所で安静を保って、もし可能ならば睡眠をとるようにしましょう。少しでも睡眠をとると拡張してしまった血管が正常に戻るといわれています。
ただ、あまり寝過ぎると逆に片頭痛をひどくしてしまうので要注意です。
緊張型頭痛が起きたら、首や肩の筋肉をできるだけほぐすようにしましょう。湿布を貼ったり、整体でほぐしたりしてもらうのもひとつの方法です。ウォーキングやスイミングなどの適度な運動で全身の筋肉をほぐすことが首や肩の緊張をやわらげることもあります。PC作業を一度中止しスマホを閉じることも大事です。