トレポネーマパリダという細菌の感染でおこる病気です。
治療しないで放置すると、十数年かけて徐々に進行し、全身の臓器がおかされます。
梅毒にかかっている人との性行為によって、皮膚や粘膜(ねんまく)の小さな傷からトレポネーマが侵入して感染します。
トレポネーマパリダ細菌による性行為感染症です。
性行為によって、皮膚や粘膜の小さな傷からT.p.が侵入する事で感染します。傷から入ったT.p.は血液に乗って全身に広がり、皮膚や内臓に様々な症状を引き起こします。
感染者との性行為から、血液とか、膣分泌液などによって感染してしまうことがよくあります。
性行為の時に避妊具を使用しなかったり、オーラルセックスをしたり、性器具を一緒に使用したりすることなどは別の性感染症と同じく、感染してしまう可能性を高くします。
梅毒は、症状が現われたり、消えたりしながら、長期間かけて進行する病気で、経過は、第1期~第4期に分けられています。
梅毒を患っている方と性的接触の機会があってから約三週間後に、梅毒トレポネーマが侵入した部位に大豆くらいの大きさの、硬いしこりができます(初期硬結)多くの男性は、陰茎の先や包皮の内側にできますが、痛みもかゆみもありません。初期硬結は、自然に消えていきます。
しかし検査にでは陽性反応が出ます。このような状態を「潜伏梅毒」といいます
感染後3か月たつと、全身に広がったトレポネーマのため、微熱、全身倦怠感、後頭部の虫くい状の脱毛などが生じ、全身のリンパ節が腫れ、発疹が現われます。
● ピンク色の円形のあざ
体の中心線にあたる部分を中心に顔や手足にできます。
● 赤茶色の盛り上がったブツブツ
小豆からえんどう豆くらいの大きさのもの
● 脱毛症状
※これらの症状は、3ヵ月から3年続き、自然に消えます。
その後しばらく、無症状が続きます。
感染から3年以上経って、皮下にゴム状の腫瘍ができてくることがあります。現在、第3期梅毒はほとんど見ることはありません。
● しこりができる
皮下組織にできる大きめのしこりです。
結節性梅毒疹やゴム腫などといわれます。
※現在ではほとんどみられません。
感染後10年以上経過するとトレポネーマに脳や脊髄がおかされ、しだいに性格が変化して認知症状態になる進行まひ、手足がしびれて起立や歩行障害がおこる脊髄癆になります。
また、心臓や血管系統もおかされ、大動脈瘤や大動脈炎もおこります。
梅毒は殺菌的に働き耐性の報告もないペニシリンの服用で治療をおこないます。
ペニシリン・アレルギーがある場合は、塩酸ミノサイクリンを処方します。
治療にかかる期間ですが、第1期は2〜4週、第2期では4〜8週、第3期以降では8〜12週にわたり薬の服用をおこないます。