正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、α溶血とβ溶血を呈する2種類があり、後者でヒトに病原性を有するものは、A群、B群、C群、G群などです。
溶連菌感染症の90%以上がA群によるものです。したがって、一般にはA群溶血性連鎖球菌(A群β溶血性連鎖球菌)による感染症を溶連菌感染症として理解されているといってもよいでしょう。
主に“のど”に感染して、咽頭炎や扁桃炎、それに小さく紅い発疹を伴う猩紅熱といった病気を引き起こします。
溶連菌が原因で大きな病気との合併症になるケースがあります。
下記の病気のリスクがあります。
粘膜、咽頭炎、扁桃炎、猩紅熱、中耳炎、副鼻腔炎、皮膚・軟部組織、伝染性膿痂疹、蜂窩織炎、丹毒、肺炎、菌血症、トキシックショック症候群
溶連菌感染症にかかった人のせきやくしゃみ、つばなどのしぶきによって感染します(飛まつ感染)。あるいは排出された細菌が手などを介し、口に入ることによって感染することもあります(経口感染)。
感染力は病気のなり始めである急性期に最も強く、急性期の兄弟間での感染率は25%と報告されています。
一般的に感染、発症するのは5歳〜15歳の小児に多いと言われていますが、
抵抗力が低くなっている大人や妊婦にも感染します。注意が必要です。
症状の始まりには、38~39度の熱とのどの痛み、嘔吐から。
風邪と症状が似ています。
溶連菌保菌者と接触した後、溶連菌に感染してから症状が出るまでは2〜5日です。
溶連菌に感染すると高熱と喉の痛みが出て、扁桃腺が腫れて膿が出ます。
急な症状から急性咽頭炎や急性扁桃炎と診断されることもあります。
その後、かゆみを伴う赤く細かい発疹が胸から全身に現れると、
溶連菌一次症と疑うことができます。
いちご舌とも呼ばれる舌に苺のようなブツブツが発生して、熱が下がると手足の皮膚が剥けることもあります。
上記のような症状が現れない場合もありますが、潜伏し続けて再発する危険性もありますし、
別の病気を引き起こすこともあります。
大人の場合には抵抗力がある為、体に症状が現れることは少ないです。
発熱やのどの痛みの症状のみが現れることが多い事から風邪やインフルエンザと間違えられやすいです。
のどの検査で溶連菌がいることがはっきりしたら、抗生剤を10~14日間飲みます。
水分補給を十分に行うことで比較的早く回復に向かうようです。
大半の場合、熱は3〜5日以内に下がりますが、解熱後約1週間経ってから手足の皮膚がふやけたようにむけてくることがあります。
途中で薬をやめてしまうと再発することが多く、また、いったん治ってから腎炎やリウマチ熱をおこすことがあります。
アトピー性皮膚炎のお子さんの場合には、病変部に溶連菌が入り込むことで重症化することがありますので、注意が必要です。ので、「指示通りに最後まで飲む」ことが大切です。
ご家庭での食事では、のどに刺激を与える様な辛い食べ物やすっぱい食べ物、炭酸水等の摂取は控えてください。