新宿西口にある当院では、咳の治療も行っています。
咳はのどや気管の分泌物などを体の外に排出するための生理的反射です。
ほとんどの呼吸系疾患にあらわれる症状ですが、その程度はさまざまです。
ほんの数日で終わってしまうものもあれば、数週間以上続くやっかいなものあります。
乾いた小さな単発の咳もあれば、湿り気を帯びた連続して出る咳もあります。
席の症状であれば、大人であれば、内科や耳鼻咽喉科(耳鼻科)を受診することになります。
咳の原因はじつにさまざまです。最も多いのがウイルス感染による急性上気道炎です。
咳を起こすウイルスにはマイコプラズマ菌、インフルエンザ菌、百日咳菌、
結核菌などがあります。
その他、肺炎球菌なども独特の咳を引き起こします。
以上のような感染症由来の咳の他に、非感染症による咳もあります。
たとえば、いつまでも長引いている咳は気管支喘息の可能性があります。
また、アレルギーも咳の原因のひとつです。アトピー、鼻炎などで咳が出ることもあるのです。
いずれの場合にも、咳受容体という神経が大きく関わっていることは共通しています。
咳受容体に外部から刺激が与えられると咳が出るのです。
咳受容体は外耳道、上気道、下気道、横隔膜と広い範囲に分布しているので、
いろいろな角度からの刺激を受けやすくなっています。
そのためさまざまな病気が咳の原因となるのです。
咳の病例は咳が継続している期間の長さによって分類されます。
3週間以内ならば急性咳嗽、8週間以上続くならば慢性咳嗽、その中間は遷延性咳嗽になります。
咳には質的な違いもあり、乾性咳と湿性咳があります。咳の原因はさまざまですが、
その症状としては短期間か長期間か、
乾いているか湿っているかの組み合わせで分類することができるというわけです。
咳が出るタイミングとしては四六時中出ているケースもありますが、
話している時、走った後、就寝前など各病例によって出やすい時間帯があります。
たとえば喘息は夜間に激しく咳き込み、横になって寝るのが難しい場合さえあります。
一度出ると立て続けに出る咳、精神的なストレスが引き起こす咳などもあり、
たかが咳とあなどることはけっしてできないのです。
咳の診断はまず問診から始まります。
乾いた咳なのか痰を伴う咳なのか、いつから咳が始まったのか、
咳が出るタイミングはいつなのかをまず確認します。
当院ではレントゲン設備はありませんが、
長期にわたる咳の場合には胸部レントゲンを診察して肺炎や結核などを
発症していないかどうか調べます。
さらに採血によるアレルギー反応を検査することもあります。
アレルギー性のアトピーや鼻炎が引き起こす咳が増えているのでかかせない検査なのです。
審査結果に応じて、各症状に応じた治療法が選択されます。
かぜならば咳止めを服用し、
インフルエンザやマイコプラズマ感染や百日咳ならば抗ウイルス薬を飲むことになります。
結核ならば抗結核薬を使用します。
咳喘息には気管支拡張剤やステロイド吸引薬、副鼻腔気管支症候群には抗生物質で対応します。
咳といえども早めの受診がおすすめですが、
なかなか内科や耳鼻咽喉科などの病院に足を運べない時もあります。
そんな時にはいくつかの応急処置でしのぎましょう。
たとえば、満員電車や会議中に突然咳が出始めてなかなか止まらなくて
困った経験のある人は多いのではないでしょうか。
いくら止めようとしても乾燥した空気の中では咳は止まりません。
濡れたタオルで口元を抑えるなどして、喉にうるおいを与えるようにしてみましょう。
マスクで口を覆うだけでもずいぶん違います。
エアコンで湿度を高めに調整したり、
加湿器を使用して部屋全体の湿度を上げたりするのもひとつの方法です。
温かい飲み物をゆっくりと喉をうるおすように飲むのもおすすめです。
市販薬や漢方でしのぐのも良いのですが、抗生物質が必要な病気が隠れていることもあります。
応急処置でやり過ごしながらも、時間ができたら必ず病院を受診するようにしましょう。
何かのきっかけで咳が出始めると、その原因となった病気は治癒したのに、
環境が悪かったばかりに咳だけが慢性化して残ってしまうことがあります。
咳を慢性化しやすい環境とはたとえばハウスダストです。
その他、室内外の温度差が大きすぎたり、乾燥し過ぎたりしていてもいけません。
つねに清潔を心がけ、温度と湿度をコントロールした室内環境を整えるようにしましょう。
また、喫煙も咳を慢性化させます。
喫煙者特有の乾いた咳を一日中しているようになってしまうことがあります。
受動喫煙でもリスクがあるので、家族に咳に悩む人がいたら禁煙してみてはいかがでしょうか。
ストレスや飲酒も咳を慢性化するきっかけになるので、十分に注意しなくてはいけないのです。